私と結婚してください。
それからしばらく1人でいろんな曲を弾いて、夕食の時間になったからバイオリンをしまった。
あっという間だったな。
きっともっといろんなことできたけど、私にはこれが一番。
好きなことができるって素晴らしいな。
「おう、もういいの?」
「うん、もう大丈夫。お腹すいたしね」
「なら飯行くか」
凰成は、一人でずっと映画を見ていたみたいで部屋にいた。
私の音がきっと邪魔だっただろうな…
「凰成、今日ありがとね」
「いや別に。
希依の弾くバイオリンの音が楽しそうで、聴いてて心地よかったわ」
「本当!?」
「あぁ。なんかリラックス効果あるわ」
「そっか、よかった」
うるさくなかったかな、とか
映画の邪魔してないかな、とか
いろいろ不安だったのが一気に吹き飛んだ。
私のバイオリンでそんな風に思ってくれるなんてね。
「ねぇ、今度楽譜買いに行ってもいい?」
「あぁ、いいよ。
明日にでも行くか」
「本当!?」
「まぁ、アクセサリーも買いに行かなきゃだったしな」
「やったねー」
「あ、でもテスト勉強もするんだろ?」
「…嫌なこと思い出させないでよね」
「全力でやらないとまた赤点だぞ」
「うるさいよ!」