私と結婚してください。
***
あのバイオリンを自由に弾いた時間があったからか
私は毎日バイオリンを触るようになった。
みんなも聴きたいと言ってくれるのもあるけど。
朝、凰成を起こすタイミングであえて激しい曲を弾いてみたり
起きないときはわざと変な音を出してみたり。
そういう日はもちろん怒られるんだけど。でもキスもしてくれるから結局楽しんでる私のせいで
凰成への被害は拡大していった。
テスト勉強に疲れてもバイオリン。
パーティーマナーの勉強や言葉遣いの勉強に疲れてもバイオリン。
そして暇なときもバイオリン。
伊織くんがめちゃくちゃ楽譜買ってきたら、その練習にも。
「…なんか最近、パーティーよりバイオリン中心になってねぇ?」
「え、そんなことないと思うんだけどな」
そんな楽しい毎日のおかげで、無事テストも終わりを迎え。
「あ、希依ちゃん英語76点!めっちゃ上がってる!」
「凰成が頑張って教えてくれたからね!」
「パーティーにも来るからな、英語圏の人が」
…たまに、圧力かけてくるけどね。
でも、パーティーだって気を抜かないよ。
だって、これで凰成の彼女と認められるなら、最大限頑張れせていただきますとも。
「ってかパーティーまであと1週間だな~」
「え、えぇ!?もうそんななの!?」
「え。希依ちゃん大丈夫?」
「う、うん…」
そ、そか…
あと1週間なのか…
なんか、そう言われると確かにバイオリンの時間多めだったな…
「ったく。
とりあえず今日はドレスと靴を取りに行くからな?」
「あ、うん」