私と結婚してください。
椎依が家を出て5分後、私も学校へ向かった。
バスに乗って30分
「希依!久しぶり~!!」
「めぐ!おはよう!」
特別遠くもない、この秀英学園。
ちょっとだけ駅から離れた郊外にあるとっても広い敷地を持つここは、中等部から全寮制なんだ。
だからみんな、ちょっとだけ裕福な家庭みたい。
そしてめぐこと、西島めぐみは中等部の頃からずっと同じクラスの、私の大親友だ。
「椎依は?」
「春休み中にA組の斎藤くんと付き合って、今日は陸部の朝練見に行くって先に出てったよ。」
「へぇ、また新しい彼氏か。早いね~」
椎依はモテるんだけど…まぁ確かに3ヶ月はもたない。
だいたいいつも早い段階でフラれちゃうんだよね。椎依が。
……ま、モテない私がなにか言える立場でもないんだけど…
「おう!高梨久しぶりだな!」
「…あぁ、速水おはよ」
こうやって男子から声はかかるにはかかるんだけど…
「あれ、椎依ちゃんは?」
……だいたいみんな、椎依目当てなんだよな。
「椎依なら新しい彼氏のとこ。」
「えぇ!?」
そんなバカな男は放っておいて、私とめぐは女子寮の中へと吸い込まれていく。