私と結婚してください。



「そろそろ動くぞ?
頼は親と動くから、お前は俺んちの親と」

「あ、はい」


それから頼くんとも伊織くんちとも別れ、私は凰成のご両親に付いて歩いた。


「にしても…
希依ちゃん!今日は本当にきれいね~!」

「えっ、い、いやそんなことは…」

「いや。それなら他のご令嬢もきっと諦めてくれるさ」


そんなことを、ご両親が言ってくれるから
少しは元気も出るんだけど…


「凰成~!」


横から、そうやって誰かが凰成に抱き着いた。


「これはこれは、成宮様」


そんな挨拶をするご両親の後ろで、抱き着くこの女性は…


「…こんばんは、一華さん」


どうやら、凰成もお知り合いのようです。


「聞いたよー?
一般庶民の女の子を付き人にしたんだってー?」


つ、付き人…
なんなんだそれ…

神楽の姫は付き人扱いなのかよ…
…まぁ、でも確かに伊織くんと頼くん見てたらそんな感じもするけど…


「付き人じゃないですよ。彼女です」

「でもそれ、高校卒業まででしょー?」


そういって、私は思いっきりにらまれた。

…にしても、キレイな人。
こんなキレイな人から言い寄られてるのか、凰成は。


「…この子?その付き人」


思いっきり睨まれながらそう言われたから


「た、高梨希依です」


と、自己紹介して頭を下げた。


それが正解かと思ったんだけど


「っ、あはは
本当に庶民って感じ~」


普通に、笑われた。


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