私と結婚してください。
「庶民の、なにがいけないのかしら?」
「え?」
違う声が横から聞こえてきて、そちらを見たら、凰成のお母さんが立っていた。
「というか、むしろ
そんな希依ちゃんを、凰成は選んだんじゃないのかな」
「おばさん…」
「ね?希依ちゃん」
凰成のお母さんはそういって私の横に立ち、頭をポンポンとした。
「大丈夫。あなたは
凰成に選ばれた人なんだから。
自信持ちなさい?」
「…はい」
私たちがそんな会話をしていたら、あの女性は会場へと戻っていった。
「あの、あの人は…?」
「あぁ、成宮一華さん。
IT企業の社長さんのお嬢さんよ。
凰成や希依ちゃんの2個上なんだけど、昔から凰成のことを気にいってて…
でも凰成には全然なびいてないけどね」
「そうなんですね」
キレイな人なのにな。
凰成は全然その気ないのかな…
「今日の最大のライバルはあの人だから!
頑張ってね!」
「…と言われましても…」
「大丈夫。希依ちゃんは希依ちゃんらしくいれば。
凰成も守ってくれるはずだから」
「…はい」
「あ、私も守るけどね!」
「はい、ありがとうございます」
「戻ろっか」