私と結婚してください。
「おぉ、すげぇ
俺イルミネーションは初めてだわ」
「あ、そうなの?
遊園地ではやらない?」
「さぁ、やるかもだけど、俺そこまで遅くまでいなかったし」
「あぁ、なるほど」
前は頼くんがケガしちゃって結局見れなかったしね…
「キレイだねー」
「そうだな」
今日の噴水はいろんな色にライトアップされていて、噴水前もすごいキレイだった。
「あ、そういや希依が最初話しかけてきたのはここだったな」
「あー、そうだね。
今日はカップルだらけだ」
いつもはナンパスポットで有名だから誰もいないのにね…
今日はデート中のカップルだらけ。
「…なんか、俺ら目立ってねぇ?」
「そりゃタキシードとドレスじゃね」
さすがにこの格好じゃ目立つにもほどがあるよね。
周りの目がつらくなってきた…
「ちょっとあっち行こうぜ」
凰成の指さす方が真っ暗で、イルミネーションは全くなかった。
「え、くら」
「いいじゃん」
凰成がそういうから行くけど、本当に暗い…
…あ、でもここも、思い出の場所だ…
「このベンチも懐かしい~」
「ここだったよな、竜司が希依を説得したの」
「そうそう。もう辞めるしか選択肢なくて。
ここで竜司くんに凰成に好きになってもらえばいいとか言われて
なんかもうそれでいいわって姫になったら、本当にそうなったね」
「俺的にはなにがそんな嫌だったのかよくわかんねぇけど」
「いや普通に嫌でしょ。なんか自由とかもないしさ。
でも、今となってはあそこで凰成に声かけて、ここで竜司くんの話を聞いてよかったと心から思うね」
「あの希依からのインパクトある言葉がなかったら、なんにも始まってなかっただろうな」
「うん、私もそう思う」