私と結婚してください。
その指輪を眺めていたら、さっきまでとは違う感情が私の中に湧き上がってきた。
言葉にはならない、なんて言っていいかわからないけど…
「え、希依?」
よくわからないけど
なんでかわからないけど
私は、これからもずっと凰成と一緒にいられるんだって
この指輪がその証なんだって思ったら
涙が、自然と流れてきた。
「……あ、ありがと」
「ったく、泣くなよ」
「うーー…」
もう、言葉にならなかった。
実感があるのか、ないのかもわからないんだけど
もう今すべてが幸せなんだ__
「ほら、そろそろ帰るぞ?風邪ひく」
「う、うん…」
私は涙を拭きながら、凰成に手を引かれながら車へと戻った。
「あ、夕飯どうする?」
「あの日食べた牛丼テイクアウトして食べよ」
「はは、牛丼な。了解」
凰成は運転手さんに指示をして、車はお店へと向かった。
「ってか一応、俺の両親には言ってあるから。
高校卒業したら俺んちに住む?」
「え!?え、凰成んち…」
あの豪邸に、私も住むのか…
「いやまぁ、あれが慣れないならマンションとかから初めてもいいってさ」
「あ、じゃあそっちの方向でお願いします…」
「了解」
って、え!?一緒に住むの!?
いやまぁ…結婚するならそうなるよな…
やばい、料理とか…なんか家事とかちゃんとできるようにならないと…