私と結婚してください。



そうそう、大学は無事音大に合格した。
ということで、私は春からまさかのリムジンで毎日送迎されるとのこと…

なんつー…まぁ、仕方ないか…


凰成はそのまま上がって法学部。
だから日中はほとんど一緒にいられないけど…でも、夜は毎日会えるから、いっか。


「ってか希依、大学では俺んちのバイオリン持ってけよ」

「え、もしかしてストラディバリウス…」

「せっかくなんだから使えよ」

「持ち歩くのこわ…」

「それなら誰かSPに持たせるし」

「いや、いいです」


なんなんだ、SPって。
普通の大学生でいいです、私は。


「まぁ慣れろよ?少しずつ」

「……うん。
凰成が、こっちに慣れてくれた分、頑張ります」

「おう」


でも、これもまた楽しいかもしれない。
凰成が私の感覚に慣れるのが楽しいって思ってくれたように、私も楽しんでセレブというものを知っていこう。

これからずっと一緒にいるんだもん。
楽しまないともったいないよね。


「あ、あと吉良って名前にも慣れろよ?
大学は吉良で行くんだからな」

「あ、そうだね!
気を付けます」


これから始まる新しいことが全部楽しいことだったらいいな。
…ううん、全部楽しいことだよね。

だって、凰成と一緒だもん。


「あ、あぁ!」

「は、なに」

「明日速水とかとみんなで遊ぼうって言われてたんだった」

「は?明日は式の打ち合わせだろ」

「だー!!予定ずらさないと!!」

「……本当、希依って見てて飽きないよな」

「うるさいよ!」


…でも、だから私を選んでくれたんでしょう?
それならこんな私も捨てたもんじゃないよね。


「しっかりしてくれよ?花嫁さん」

「……うん」




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