私と結婚してください。



「椎依も相変わらずだけど、希依も相変わらず彼氏できてないんでしょ?」


「なんなら好きな人もいないしね。」


「双子なのになんでこんなに両極端なんだか…」


一卵性の双子なのに、性格はまったくと言っていいほど違う。
まぁ好きな食べ物は一緒だし、全く同じ発言をしたりとシンクロ性はあるんだけど。


「でも希依、確か18歳で結婚しろって言われてるんでしょ?」


「そうなんだよー!!
でもできるわけないじゃん!私が!

…でさ、椎依が受け継ぐとか言ってるけどあの調子じゃそれだって難しい気もするし…」


「確かに椎依、すぐ乗り換えちゃうもんね。」


「お母さんは長女じゃなきゃダメっていうし」


「それはもう絶望的だね。」


「できなきゃお父さんの会社の取引先の息子とお見合いとか言い出すし!!
あんなやつ、絶対無理だよ!!」


「はは…、大変だね…」


お父さんはちっちゃいけど会社を経営してる。
本当に大したことないけど、一応あれでも社長らしくて
……で、取引先のこれまた大したことない会社の息子がまた大したことない…どころか!
見た目も性格も食べ方も歩き方もすべてが残念で女を下に見るようなやつだから絶対に嫌だし…


「……絶対今年中に決めないと…」


こうなったら、意地でも恋愛結婚をしてやるんだ。


「あ、ならさ
ナンパでもしてみたら?とりあえず」


「・・・は?」


「港の公園の噴水前がナンパスポットなんだって~」


「な、ナンパなんでできるわけないじゃん!
だいたいこんなやつに声かけられて嬉しいやつなんか…」


「大丈夫大丈夫!
私がちゃーんとあんたを可愛くしてあげるって!

私も行ってあげるしさ!」


な、なんだそりゃ~~!!



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