私と結婚してください。
「ま、とりあえずさ、今あんたは椎依にも負けないくらい可愛くなったんだし勇気だして声かけなよね!」
「え、えぇ!?声かけるの私!?
めぐじゃないの!?」
「なんで私なのよ。
彼氏ほしいのは希依なんでしょ?」
「そ、そうだけど…」
で、でも私にそんな度胸あるわけ…
「逆ナンなんてね、いちいち相手決めてたらいつまでたっても声かけられないんだから
とりあえず一番最初に近くに来た人に勢いで話しかける!
悩んでたらいつまでたっても帰れないからね!」
……なんだよそれぇ…
選ぶこともできないのかよ…
「嫌ならそれっきりにすればいいし!
とりあえず声かけなきゃ始まんないっしょ!」
そういって足取りが重くなる私の腕をがっしりと掴んだめぐはさほど遠くもない、どころか寮から近い噴水のある港の公園に足を踏み入れた。
……けど。
「誰もいないじゃん。」
「あ、あれ?そんなつもりじゃ…」
……ナンパスポット?これが?
誰もいない。カラスがあそこにいるくらい…
「これは長期戦になりそうだな…」
「えぇ!?待つの!?」
「当たり前でしょ!?
せっかくあんたを着飾ったんだから!
こんなことで帰ってたまるか!」
な、なんだそりゃ!!
「じゃあ私、あそこで飲み物でも買ってきてあげるからあんたはそこで待ってなさい!」
「え!?私は待ってるの!?1人で!?」
「だから当たり前でしょ!!
いい!?あんたはこのままだと好きでもない上から目線野郎と結婚するはめになるのよ?
嫌だったら勇気だしなさい!」
う…そうだけどさぁ…
……心細いよぉ…