もう一度、あの恋を。
高2 夏

______現在。


高2の夏。


ミーンミーンとうるさいセミが出てきたころ。


クーラーのついた涼しい部屋で、授業中であるが先生の話なんて聞かず外を見ていた。


そこには大きな入道雲と青く広がった空が見えた。


『……あぁ、何やってるんだろう、私。』


毎日がとても退屈でたまらなかった。


楽しいことが何もなかった。


周りは同じグループで固まったり、ニコイチなんていって女子2人でイチャイチャしてる。


『なんて暇な人たち……。』


ま、私が言えないけど。


私はあの人たちのように特に仲の良い友達がいない。


浅く狭く、軽い気持ちで壊せるような友情関係ばかり築いていた。


別に友情なんていらないってわけじゃないけど、私は濃い友情関係を作ろうとしなかった。


理由は簡単だ。


___ただ人が信じれないだけ。


普通に話すけど、遊んだり、長い電話やメールとかしなかった。


自分だけの世界が一番の幸せ。


誰にも邪魔されない私だけの世界。


ずっと世界は私だけで充分だった。


……いや、ずっとじゃないか。


一瞬のように毎日が過ぎていたあの頃。


気がつけば、世界は私以外に大切な人が出来ていた。


私の唯一の青春の日々。
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