もう一度、あの恋を。
今日の5、6時間目は体育大会の個人種目の練習だった。
ハードルを出そうと思い、体育倉庫に行くと鍵がかかっていた。
『くそぉ。先生、練習するって分かってるんだから開けておいてよ…。めんどくさいけど取りに行くか。』
なんて思ってると、走って誰かが来たと思って振り返った。
そこには玉國が体育倉庫の鍵を持ってきていた。
『容量のいいやつ。本当にムカつく。』
ありがとうも言わず扉の前から離れた。
『私って可愛いくない奴……。』と思った。
ん?なんでそんなこと思ったの!?
「紗那ちゃん!!ハードル一緒?」
変な事を考えていると、隣のクラスの間戸実苑(まどみその)が声をかけてきた。
実苑は小6の時に同じクラスになり、その時仲良くなった。
「うん、実苑も?」
「そうだよ〜!一緒だね!!」
明るく、笑顔の絶えない実苑は女子だけでなく、男子からも人気だ。
実苑の話している間に体育倉庫が開いていた。
「玉國くん、ありがとう!」
素直に礼を言った実苑が羨ましい。
……あれ?今までそんなこと思ったことないのに。
逆に今まで何とも思わなかっただけかな…?
「紗那ちゃーん!早く〜!」
「あ、うん!」
また変なこと考えてた。
最近の私はどうかしてる。