もう一度、あの恋を。
実苑と一緒にハードルを出し、4つくらい並べて走ることにした。
隣には男子が練習していた。
そこに玉國がいたことにびっくりした。
『え!?あいつハードルだったの?全然気づかなかった。』
まぁ、いいや。
そんなにびっくりすることじゃないし!
最近、何かずっと考え込んでいる。
それが嫌で嫌で仕方無かった。
『……走ろっ』
そうだ、走れば何も考えれない。
なんで気づかなかったんだろう。
それから私は一生懸命ハードルの練習をした。
休憩の時は実苑と話して、出来るだけ何も考えてれないようにした。
そして、体育大会当日。
クラスカラーのハチマキをして、クラスで円陣を組んで団活を深めた。
「紗那!頑張ろうね!!」
ずっと黙り込んでたから緊張してるように見えたのか世津が声をかけてくれた。
「うん、ありがとね!」
と笑顔で返した。
自分の種目までクラスの応援をしていた。
お昼のちょっと前だからまだまだかな?
「紗那、出番まだ?」
隣で応援していた結乃ちゃんが誰にも聞こえないように言った。
「あ、うん。まだだけど。どうしたの?」
私も合わせて小さい声で言った。
すると、結乃ちゃんは私の手を引いてどこかへ歩き出した。