もう一度、あの恋を。
招集場所に着くと、実苑が私を呼んだ。
「紗那ちゃん!遅かったね〜」
「あ、うん。ちょっと友達と話してて…」
「そうなんだ〜!ハードル、頑張ろうね!」
「うん、負けないよ!」
話してると、あっという間に入場の時間だ。
50mハードルは1年生から順番に4人ずつで走る。
うちの学校は4クラスしかないので、4人ずつとなっている。
女子からスタートで私は2番目だ。
走ってる間は必死すぎて覚えてない(笑)
結果は実苑が1位で私が2位だった。
1年の男子が始まった。
1番最初に玉國が走る。
なんでか分からないけど、私はずっと玉國を目を離さず見てた。
スタートした。
「えっ!?」
思わず声が出てしまうほど速かった。
ぶっちぎりで1位になった。
私は驚いてポカンとなっていた。
「……ん。紗那ちゃん!どうしたのぉ〜?大丈夫?」
ハッとした。
心配して実苑がずっとこっちを見ている。
「あ、大丈夫だよ!速かったなって思って……」
私が笑うと、実苑も安心して笑顔で
「そうだね〜!玉國くん速かったね!」
と返してくれた。
でもなんかモヤモヤする…。
なんでだろう?