もう一度、あの恋を。
退場した後、さっきのモヤモヤが気になって、ノロノロと自分の応援席に戻っていた。
すると、前から来ていた世津が私を心配して、
「紗那?どうかした?ハードルの2位が悔しかった?」
と声をかけてきた。
「えっ!?まさか!2位とれたのが奇跡なぐらいだよ!」
「そう?確かに3位の子と僅差だったけど。」
クスッと世津が笑うと、私もなんだかモヤモヤがなくなって自然に笑えた気がした。
『結局なんでもなかったなぁ…まぁ、よかった。』
そう思って忘れることにした。
世津と話しながら応援席に帰り、午前の部の最後の競技を迎えた。
そして、昼休憩の後、午後の部が始まった。
最初の競技は男女混合リレー。
結乃ちゃんが緊張で震えていた。
『大丈夫。きっと大丈夫。なんとかなるよ。』
そう願っていた。
スタートした。
1走目の子が泉にバトンを繋いだ。
そして、泉から結乃ちゃんへのバトン渡し。
『お願い、どうか、バトンが繋がりますように…』
一瞬、乱れかけたけど、無事バトンは繋がり、私のクラスは1位になれた。
みんな大喜び。
結乃ちゃんも泉と笑顔で話せていたから私はとても安心した。