もう一度、あの恋を。
伴奏だけでも忙しいのに、文化委員の私は委員の仕事もあり、部活もありで1人じゃ回りきらなかった。
放課後。1人残って文化委員の仕事をしていた。
『今日も部活に行けそうにないな……。』
顧問の先生は休まれるのは好きではないが、文化委員が毎年、この時期は忙しいということを知っているので、仕方ないと受け入れてくれている。
でも、私もまだ1年だし、部活の準備を他の1年の子に任せっきりなので、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
仕事が終わらなくて、焦っていると、教室に玉國が入ってきた。
1度は目はあったが、お互いすぐにそらし、玉國は自分の席に行き、忘れ物をとった。
「……何してんの?」
「えっ!?あっ……!」
ガタッ!!!
声をかけられるなんて思ってなくて、びっくりして筆箱を落としてしまった。
「合唱コンクールに向けての準備をしてる。」
「へぇ。それってさ、そんなに時間かかるやつなの?」
「そんなことはないけど…。」
「だよな。毎日毎日、いろんな人から仕事押し付けられたらそうなるよな。」
「はっ!?なんで!!!」
「なんでって。いくら文化委員だからって3日間も部活を休むくらいの仕事を与えないだろ。」
「みんな忙しいの!試合の近い人だっているし、塾がある人もいるの!私が代わったって可笑しくないでしょ?」
「それならなんで毎日部活の準備してくるのに文化委員の仕事で部活休んでるの?」
「私が文化委員の1年代表だから、最終的に仕事が終わらなかったら私に回ってくるの!」
「だから最終的に回ってくる前に自分で終わらせる?それってただの偽善だよな。」
「………もういいでしょ?忘れ物を取りにきただけなら帰ってよ!!!」
私はその場に立ち、玉國に怒鳴った。
玉國は何も言わず、教室を出ていった。