もう一度、あの恋を。
最終下校時間のギリギリに仕事を終わらせたので、やっと帰ることが出来た。
帰り道、玉國に怒鳴ったことがモヤモヤとして心の中から離れない。
冷静に考えれば、玉國の言ったことは正しいことだ。
偽善だって分かってた。
でも、言葉にしなければ何も感じない。大丈夫だ。って心のどこかで思い込ませていた。
そこを突きつけられてしまって、腹が立ち、怒鳴ってしまった。
100%自分が悪い。
分かってるけど……。
自分がどう思っているのか、何をしたいのか、いまいち分からない。
ずっとそのことを考えていたら、眠ることが出来ず、一睡もせず次の日を迎えてしまった。
___次の日。
登校すると、靴箱で玉國に会った。
『うげっ!?』なんていつもなら思ったけど、昨日のことで一睡も出来ていない私はそれすら思えなかった。
玉國は、私に気づいてこちらを見るが、何事もなかったように教室に向かおうとしていた。
「……あ。あぁぁぁ…………。ま、待ってっ!!!」
止めようか最後の最後まで迷ったけど、止めてしまったら言うしかない!
そんな覚悟でいた。
「……昨日はご、ごめんなさい。」
顔を真っ赤にし、目をそらしながら、とりあえず謝ろうと思って謝ったが、その一言しか言えなかった。
「……だけ?」
玉國からの返しは一言だけだった。
「……え?」
思わず口から零れてしまった。
「認めないの?図星だったから言われて腹が立って怒鳴りましたって。」
「な、なんでそんなこと認めなきゃいけないのよ!!」
私が怒鳴ったら、玉國はフッと笑った。
よく笑う人じゃないので、少し驚いた。