もう一度、あの恋を。

「……い!……寺井!おい、いつまで寝てるんだっ!」


はっ!と目が覚めた。


外を見ていたと思ってたが、いつの間にか寝てしまっていた。


「おい、大丈夫か?体調でも悪いのか?」


日本史の先生の低く、野太い声が頭に響く。


「ただの寝不足です。すみません。」


「そうか。しんどいなら保健室に行けよ。」


『先生の声でしんどくなりそうなんですけど。』なんて思いながら、先生とは目を合わせなかった。


「はい。」


普段、あまり授業中に寝るタイプじゃないから、周りからは驚くような視線を感じる。


なんて先生と話してたら(起こされてたら)、チャイムがなった。


「今日はここまで。ちゃんと復習しろよー」


と先生は教室を出ていった。


「寺井さんが寝るなんて珍しいね。昨日眠れなかったの?」


隣の席の原田さんが声をかけてきた。


「いやぁ。そういうわけじゃないけど、なんか外見てたらいつの間にか寝てた。」


軽く笑いながら話したら、原田さんも笑って、


「えー!なにそれー!なんか意外だね。寺井さんって真面目なイメージがあったから!」


私、そんなふうに思われてたんだ。


真面目じゃないんだけどな……。(笑)


そして、放課後になった。
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