もう一度、あの恋を。
中1 春
______4年前。
中1の春。
ほとんどの人が小学校からの持ち上がりで、人見知りな私でも困らないくらい仲の良い人で集まっていた。
逆に隣の小学校から来ている人たちは心細かっただろうな。
小学校の時から仲の良い子と話していたら、隣の席の近くの小学校から来た子が話しかけてきた。
「俺、手塚颯人(てつかふうと)。同じ小学校出身の人いないから良かったら仲良くしてくれない?」
「え!?あ、うん。私は寺井紗那(てらいさな)。よろしく。」
最初はびっくりしたけど、とてもいい人だからすぐにみんなと打ち解けていた。
特に仲良くなったのは、手塚の前の席の玉國千里(たまくにちさと)だった。
玉國とは小学校から一緒だからある程度どんな人かは分かるけど、小学校6年間で2回しか同じクラスになったことがないので正直あまり分からなかった。
とりあえず、頭はいいし、みんなに人気あるし、成績も上位、頼れる存在で私はあまり気に入らなかった。
『ま、どうでもいいや。』なんて思ってた。