もう一度、あの恋を。
___入学して1ヵ月と2週間がたった。


太陽の日差しが嫌なくらい強い日。


今日は遠足だ。


遠足と言っても、カレー作って、みんなで大縄跳びをするだけで、なかなかやる気が出ない。


「紗那、行くよー!」


同じ班の橘朱音(たちばなあかね)が手を振りながら呼んでいる。


うちのクラスは女子が3人、男子が3〜4人で1つの班なので、私が2人組のところにいれてもらうことになった。


朱音とは小学生からの仲なので、気まづいというのはない。


「はぁ、まじでだるいなぁー。なんで中学生にもなって大縄なんかしなきゃいけないのよ。」


朱音が大声で愚痴っている。


「ちょ、ちょっと!先生に聞こえるよ!!」


「聞こえるように言ってるんだよっ!」


「……朱音。またか。」


小学生のころから朱音は言いたいことをズバズバと言うタイプだ。


でもそれが、相手の言ってほしいということが多く、決して朱音が嫌われることはなかった。


……全員ではないけど。


バスに乗って、約1時間半で目的地に着いた。


まずはカレー作りから始まる。


班に分かれて、しおりに書かれた手順通りに作る。


火は木や紙を使って、自分たちでおこさなければいけない。


なんとも面倒な作業ばっかりだ。


それは男子に任せて、私たちはカレー作りに取り掛かった。


普段、料理なんてしないから具材を切るだけで精いっぱいだった。
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