もう一度、あの恋を。
全ての班のカレーが出来たため、昼食の時間となった。
「つっかれたぁーー!!!」
カレーを食べ終わった朱音がぐっと全身を伸ばしながら言った。
「え!?朱音ちゃんもう終わったの?」
同じ班の三宅悠梨(みやけゆうり)が驚いていた。
ちなみに私はまだ半分、悠梨は3分の1ほどしか食べていない。
「相変わらず朱音は早いね。男子もまだ終わっていないっていうのに。」
「この後、嫌でも大縄跳びしなきゃいけないのにノロノロ食べるなんて無理でしょ。」
「そうだね。本当になんで中学の遠足ってこんなんなんだろ。」
昼食が終わって、大縄跳びの時間になった。
一応、クラスマッチ扱いになるということで、クラスマッチ委員が前で出て説明していたが、私も朱音もほとんど聞いていなかった。
「それでは、最初はAグループからなので、Aグループは準備をしてください。」
クラスマッチ委員の声でみんなが動き始めたので、私も朱音と適当に動き始めた。
「ちょっと!紗那も朱音もどこにいくの?私たちAグループだよ!!」
「え?うちらってAだったの?」
悠梨に言われて初めて知ったので驚いた。
朱音も同じようにびっくりしていた。
「もう!さっき委員の人が言ってたよ。聞いてなかったの?」
「あんな無駄に長い話なんて聞くわけないじゃん。悠梨がいてくれてよかったよ。ありがとう。」
何その貶した後にすぐお礼を言うってやつ……。
やっぱり朱音は会話の運びが上手い。
悠梨も拗ねているような感じだったのに、ころっと機嫌を直した。
「いいんだよっ!大縄跳び頑張ろうね!!」
『あっ、単純だ。』と思いながらも、
『単純だけど、ものすごくいい子なんだな。』
って思った。
大縄跳びの結果。私のクラスは4クラス中、3位という微妙な結果となった。