ヒヨと11人の王子サマ
第二章
お仕事
あれから一週間。
『…えーと、今日のスケジュールは…』
「緋代、大分様になって来たな。」
『え?そうですか?私的にはまだまだなのですが…。』
「…なあなあ、その敬語止めろ。俺、お前の兄なんだけど。」
『家族でも、ここでは私の上司です。さすがにわきまえますよ。』
「…俺が寂しい。」
『…チーフマネージャーが何を言ってるんだか…。』
ここ一週間でマネージャーとしての基礎を叩き込まれ、本格的に今日から、現場マネージャーとして仕事をしていきます。
「じゃあせめて零ってさ〜」
『わかりました。零さん。』
「…さん…。」
ガチャ
「…おい、そこのシスコン。」
『あ、陣さん。おはようございます。』
「あ?んだと?!…認めるけど。」
『確か…今日の午後はOFFでしたよね?』
「…練習。」
『自主練ですか。了解しました。他の人とかは…』
「暁葉と泉と弥斗と冬は後から来る。」
『…ああ、了解です。…あ、後ほどレッスン室に向かいます。土曜日のスケジュール確認をします。』
「ああ。」
「あ、俺も後から行く。」
「……。」
ガチャ
「…緋代、将来の仕事はマネージャーだな。」
『えっ…いや別にいいですが…。まだ一週間しか経ってないのでなんともです。』
「つかむしろよく一週間叩き込まれたよな。普通もっとかかる。…ま、それだけ人手不足ってことなんだけど。」
『…そういえば、マネージャー募集とかはしないですか?』
「…金も足りない。」
『…ああ。ビルは大きいのに。』
「…大丈夫、俺と緋代がいればこのプロダクションはどんどん大きくなるぞ〜」
『…一番兄さんが頑張ってくれないと私が困るんだけど。お金を稼いでくれないと、ホントに家計にも…』
「…頑張る兄さん。兄さん頑張るから。」