社長、僭越ながら申し上げます!
「今日は残業して貰えるかな?」
明日の取引先の50周年祝賀会の準備をしていると社長に声を掛けられた
「はい、大丈夫です。明日の準備ですよね?」
お祝いの花やプレゼントなどは既に手配済みだが
社長はお祝いスピーチも依頼されていたし
何かとまだあるのかもしれない
「うん。乃菊も同行だからね?その準備」
「え?」
「秘書だもん、同行だよ?」
社長は書類をトントンと机で揃えながら
こちらをみて微笑んだ
…相変わらずの艶やかな微笑みにドキリとする
「…同行は把握しておりますが…」
社長秘書としてきちんとした服装しなさい
と、昨日課長に釘をさされたところだったので
買って置いた私にしては高級なスーツを
今朝ラックに吊るしてきたのだ
「綺麗に着飾って行こうね!」
楽しそうに社長が笑顔で私にウィンクした
「ええ?!」
……そして
私はゲッソリしながら選んで貰ったドレスを部屋に吊るして、疲れ切ってそのまま寝てしまった
(うわ…朝になってるー!シャワー浴びなきゃ…)
慌ててリビングを通ってバスルームに行き、
戻ってくると湊さんが可愛らしい黄色のチェックのエプロンをして何やら運んでいた
「おはよう乃菊…朝ごはん一緒に食べない?」
いつも以上に輝く笑顔の湊さん
「おはようございます…え。湊さんが作ったんですか?」
「ううん、佐山が届けてくれたんだ」
「佐山さんが…」
運転手の佐山さんは本当に優しくて
毎日はさすがに申し訳ないと断っている家への送りも湊さんからの指示だからと週に三回は来てくださる
時には買い出しにも付き合ってくれるので
申し訳ないと言ったら…
「眞山さまの送迎や買い物は湊さまから任されておりますから、お気になさらず」
そう嫌な顔せずいつも言ってくれるのだ
「乃菊が好きそうなパンをみつけたらしいよ?
それで二人でどうぞとの事だ…乃菊を相当気に入っているようだよ?佐山は」
こちらをチラリと見た湊さん
少しだけ何かを言いたそうだ
「な、何か…?」
「いや?…あの佐山まで乃菊に落とされたかと思っただけ…」
「脅してなんていませんよ!」
そんな滅相もない!
「あははは…違う、『落とす』ね?気難しい佐山も乃菊が可愛いらしいよ?良かったね」
「あ……そうなんですね。うれしいです
優しくしてくださるので助かります…いつも」
父親が居ない私には…父親よりは年下だろうけど…歳上の男性から可愛がれるのは嬉しかった
明日の取引先の50周年祝賀会の準備をしていると社長に声を掛けられた
「はい、大丈夫です。明日の準備ですよね?」
お祝いの花やプレゼントなどは既に手配済みだが
社長はお祝いスピーチも依頼されていたし
何かとまだあるのかもしれない
「うん。乃菊も同行だからね?その準備」
「え?」
「秘書だもん、同行だよ?」
社長は書類をトントンと机で揃えながら
こちらをみて微笑んだ
…相変わらずの艶やかな微笑みにドキリとする
「…同行は把握しておりますが…」
社長秘書としてきちんとした服装しなさい
と、昨日課長に釘をさされたところだったので
買って置いた私にしては高級なスーツを
今朝ラックに吊るしてきたのだ
「綺麗に着飾って行こうね!」
楽しそうに社長が笑顔で私にウィンクした
「ええ?!」
……そして
私はゲッソリしながら選んで貰ったドレスを部屋に吊るして、疲れ切ってそのまま寝てしまった
(うわ…朝になってるー!シャワー浴びなきゃ…)
慌ててリビングを通ってバスルームに行き、
戻ってくると湊さんが可愛らしい黄色のチェックのエプロンをして何やら運んでいた
「おはよう乃菊…朝ごはん一緒に食べない?」
いつも以上に輝く笑顔の湊さん
「おはようございます…え。湊さんが作ったんですか?」
「ううん、佐山が届けてくれたんだ」
「佐山さんが…」
運転手の佐山さんは本当に優しくて
毎日はさすがに申し訳ないと断っている家への送りも湊さんからの指示だからと週に三回は来てくださる
時には買い出しにも付き合ってくれるので
申し訳ないと言ったら…
「眞山さまの送迎や買い物は湊さまから任されておりますから、お気になさらず」
そう嫌な顔せずいつも言ってくれるのだ
「乃菊が好きそうなパンをみつけたらしいよ?
それで二人でどうぞとの事だ…乃菊を相当気に入っているようだよ?佐山は」
こちらをチラリと見た湊さん
少しだけ何かを言いたそうだ
「な、何か…?」
「いや?…あの佐山まで乃菊に落とされたかと思っただけ…」
「脅してなんていませんよ!」
そんな滅相もない!
「あははは…違う、『落とす』ね?気難しい佐山も乃菊が可愛いらしいよ?良かったね」
「あ……そうなんですね。うれしいです
優しくしてくださるので助かります…いつも」
父親が居ない私には…父親よりは年下だろうけど…歳上の男性から可愛がれるのは嬉しかった