社長、僭越ながら申し上げます!
「あぁ…疲れた…」
家に戻ると湊さんはスーツのままソファーにグダっと体を預けて座った
「お疲れ様です…珈琲を召し上がりますか?」
「有り難う…助かる…」
珈琲を淹れてリビングのテーブルに運ぶと
湊さんがソファーに身体を丸めて目を瞑っていた
(相当疲れたんだろうな…)
一応控えめに声は掛けたが…寝入ってしまったようだ
私は部屋から自分の読書用のブランケットを持ってきて、湊さんの身体にかけた
珈琲はまた淹れ直せばいいや…と、
マグカップから自分のカップに移して飲んだ
床に座りながら湊さんを眺めると…
綺麗な鼻梁に見惚れてしまう
暫く眺めていたが起きる気配がないので
さすがに着替えようと、私は立ち上がる
すると…
「行かないで、カエ…」
湊さんが微かな声でそう言った
(カエ……あの赤いドレスの女性……)
あれが……湊さんの想い人なんだ
事情があって一緒になれないのだろうか
あのカエと言う人も湊さんを愛しそうにみつめていたから、相思相愛だろうに
(私がこの家に居ちゃいけないんじゃないだろうか…)
そんな事をもう一度想いながら
私はバスルームに向かった
メイクさんに教えていただいた通り
ガチガチの髪の毛をほどき、分厚いメイクを落とすとバスルームの鏡には冴えない私の顔が映る
「夢はおしまい」
メイクされている間は少しでもお姫様気分が味わえて楽しかったなぁ
祝賀会自体は…
…欲望渦巻く感じで楽しめはしなかったけれど
あれも社長の仕事なんだと思うと……
そつなくこなす湊さんを心から尊敬する
あれだけ注目されてるんだ……誇らしいと同時に
やはりこの生活を早く終わらせなければと焦りを感じる
脱衣所で身体を拭いていると
カチャ
ドアが開いた
(へ?あ、鍵!)
「あ、ごめん…」
パタン
一瞬固まってしまったが…
(いま、湊さん…見たよね…)
まだショーツしか着けていない身体を
湊さんに晒してしまった……
(私のバカー!!)
恥ずかしくて……私は急いで着替えると
リビングを走り抜けようとしたら
「ごめん乃菊、大丈夫……コンタクト外してたから全然見えてないから!」
湊さんが頭をガバッとさげて私の腕を掴む
「ほ……んとですか…」
「うん、ホント……だからそんな逃げないで」
「分かりました……あの湊さん」
湊さんはまだスーツのままだったので
声をかけた
(私のことより湊さん優先だよ……)
「シャワーどうぞ?その間に珈琲淹れ直しますから」
「有り難う…これも。乃菊の薫りがして
フフ…癒された」
可愛らしくブランケットを手に微笑む湊さんに
胸がドキッとした
家に戻ると湊さんはスーツのままソファーにグダっと体を預けて座った
「お疲れ様です…珈琲を召し上がりますか?」
「有り難う…助かる…」
珈琲を淹れてリビングのテーブルに運ぶと
湊さんがソファーに身体を丸めて目を瞑っていた
(相当疲れたんだろうな…)
一応控えめに声は掛けたが…寝入ってしまったようだ
私は部屋から自分の読書用のブランケットを持ってきて、湊さんの身体にかけた
珈琲はまた淹れ直せばいいや…と、
マグカップから自分のカップに移して飲んだ
床に座りながら湊さんを眺めると…
綺麗な鼻梁に見惚れてしまう
暫く眺めていたが起きる気配がないので
さすがに着替えようと、私は立ち上がる
すると…
「行かないで、カエ…」
湊さんが微かな声でそう言った
(カエ……あの赤いドレスの女性……)
あれが……湊さんの想い人なんだ
事情があって一緒になれないのだろうか
あのカエと言う人も湊さんを愛しそうにみつめていたから、相思相愛だろうに
(私がこの家に居ちゃいけないんじゃないだろうか…)
そんな事をもう一度想いながら
私はバスルームに向かった
メイクさんに教えていただいた通り
ガチガチの髪の毛をほどき、分厚いメイクを落とすとバスルームの鏡には冴えない私の顔が映る
「夢はおしまい」
メイクされている間は少しでもお姫様気分が味わえて楽しかったなぁ
祝賀会自体は…
…欲望渦巻く感じで楽しめはしなかったけれど
あれも社長の仕事なんだと思うと……
そつなくこなす湊さんを心から尊敬する
あれだけ注目されてるんだ……誇らしいと同時に
やはりこの生活を早く終わらせなければと焦りを感じる
脱衣所で身体を拭いていると
カチャ
ドアが開いた
(へ?あ、鍵!)
「あ、ごめん…」
パタン
一瞬固まってしまったが…
(いま、湊さん…見たよね…)
まだショーツしか着けていない身体を
湊さんに晒してしまった……
(私のバカー!!)
恥ずかしくて……私は急いで着替えると
リビングを走り抜けようとしたら
「ごめん乃菊、大丈夫……コンタクト外してたから全然見えてないから!」
湊さんが頭をガバッとさげて私の腕を掴む
「ほ……んとですか…」
「うん、ホント……だからそんな逃げないで」
「分かりました……あの湊さん」
湊さんはまだスーツのままだったので
声をかけた
(私のことより湊さん優先だよ……)
「シャワーどうぞ?その間に珈琲淹れ直しますから」
「有り難う…これも。乃菊の薫りがして
フフ…癒された」
可愛らしくブランケットを手に微笑む湊さんに
胸がドキッとした