fragment
「タイムカプセルを覚えていますか?その封筒は、あなたが自分宛に書いたものと、お祖父様からあなたへ宛たもの、だそうです」

鼻の奥がつんとして目頭が熱くなるのを感じる。

じいさん、相変わらず格好いいな。
でも、やっぱり足りない。



その時、頭の中でポーンと何かが落ちて身体の中に浸透していくような錯覚に陥る。

何だろうかこの感じは。

これは、

―――走馬灯?

そして思考がグルグルと渦を巻く。
ここでの思い出が巡りめぐってくる。

――――ぁあ、そうだ。

「・・・」
「こ、これ、覚えてる。いや、思い出した。タイムカプセルは樅の木の下に埋めたんだ・・・」
「・・・」
「三人で、埋めた」
「・・・えぇ」
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