fragment
既に知っているらしい彼女に、それでも全てを告白する。
今の今まで忘れていた事を。

「リキは、海に入った事無いって言って、それで、一緒に行ったんだ、海に、」
「・・・」
「じいさんを、待てなくて、足だけってリキが海に近付いて、ぅうっ、」
「もうッ、大丈夫です、」

頭が痛い。
割れてしまいそうだ。
でも、どうしても言いたかった。
俺は頭を抱えながらあの日の事を泣きじゃくりながら話続けた。

「貴方は何一つ悪くありません」

そんな俺に最後、彼女はそう言った。

彼女のその一言に顔を上げる。

ぁあ、彼女の雰囲気はじいさんに重なるんだな。
何となくそう思うと、少し、落ち着けたように感じた。
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