fragment
「・・・リキは病院ですぐに目が覚め、両親にそのまま連れ返されました。それから祖父は、苦しい日々を過ごしていたんだと思います。あの事がきっかけとなり、貴方とリキから離されてしまったので」
「ッ、」

その瞬間押し寄せてきたのは後悔だった。
じいさんの事を思えば思う程、悲しさと悔しさが込み上げてくる。

謝っても謝り切れない、途方の思いが渦を巻く。

俺が全てを忘れ淡々と過ごしてきた年月を、じいさんはずっと苦しんで過ごしていたんだろうか。

もっと一緒に居たかったよ。
じいさんやリキと一緒に、居たかったよ。

「祖父は、貴方の事をとても大切に思っていました。ですから、貴方が笑顔で過ごせていると知った時は、心から喜んでいました」
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