fragment
「・・・リキも、そうやって悔やんでいました」
「え?」

リキも?リキも悔やんでた・・・?

「リキはあれからずっと祖父に会わせて貰えず、やっとの思いで会えたのは祖父が入院中の時です。病室で横たわる祖父を見て、これまでの事をとても悔やんでました」

じいさん、ずっと独りだったのか?
俺らいなくて、じいさん何にも悪くなかったのなに、皆に責められて、独りでいたのかよ。

「ですが、リキが悔やめば悔やむほど祖父から笑顔が消えていきました。それに気付いて、リキはやっと祖父の前で笑うようになりました」

「・・・」

「それと、これを」

彼女の手には古ぼけた封筒が一つ。
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