気まぐれ猫くんの手懐け方
毒舌猫くん
うるさい奴、無理
「陽愛、おはよう!!」
校門の前で私を待っていてくれたのは、私の親友の梨乃(りの)。
幼なじみです。
「おはよう梨乃!」
私たちは顔を見合わせては、お互いにぶっと噴き出した。
「梨乃、スカート短い!!」
「陽愛は校則に従順すぎ!!」
梨乃は、明るい茶髪のロング。
毎朝セットしているのか、ふわふわのウェーブにした髪を左側に一本にまとめている。
そしてなんと言ってもメイクが濃い。
ただでさえぱっちりおめめだというのに、ビューラーとマスカラのせいで睫毛がバッサバサだ。
対する私は、邪魔な前髪をゴムでひとまとめにし、ノーメイクの顔をあらわにしている。
スカートはもちろん膝下だ。
「少しはオシャレ楽しもうよ、せっかくの女子高生なのに」
「逆に入学して一週間でそんな格好できる梨乃がすごいよ…」
そう、私たちは高校に入学してから早くも一週間が過ぎていた。
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