気まぐれ猫くんの手懐け方
「ね、ねこく……」
「どうする?」
「…え、?」
栗色の、大きな瞳に
真っ赤な顔をした私が映り込んでいる。
「もう一回してみる?」
彼の手が、私の頬にそっと当てられて。
さっきまで微笑んでいたはずの彼は、いつの間にか真面目な顔してじっと見つめてくる。
それにすら、どきんと胸が大きく鳴って。
距離が近くて
息がかかるくらいに近くて
呼吸ができなくて
というよりも、
息をするのも、忘れていて。
「……あ……う…」
だめだ。
このままだとオーバーヒートする。