気まぐれ猫くんの手懐け方
***
「―――と、いうわけなんです」
『ちょ、大丈夫なの陽愛!?』
「え?ああ、ちゃんと自分の足で帰ったしもう足の方はなんともな……」
『そこじゃなくて!!』
「!!?」
梨乃が急に大きな声を出すから
私はびっくりしすぎて声も出なかった。
『猫くんのことだよ』
「あー……」
突然名前で呼んだり、かと思えば名字呼びに戻ったり
優しく笑ってくれていると思ったら、意地悪い笑顔に変わったり
かわいい男の子だと思ったら、かっこいい男の子になったり
いじわるしたり、き……キスしてきたり
「私……猫くんが何を考えてるのかわかんないよ…」
『……陽愛』
「え?」
『こうなったら、明日直接猫くんに聞こう!!』
「うん!…って、えええ!!?」