気まぐれ猫くんの手懐け方

なんて、そうじゃないでしょう陽愛!!

自分で仕掛けたハッタリに、逆に不安になってどうするの、私。


うう、でも、猫くんが今どんな表情してるのか気になる……。

猫くん、今何考えてるんだろう、どんな反応してるんだろう………。


隣の様子が気になって気になって、どうしようもなくなったとき。


「……ねえ」

「!」


そんなお隣さんから声をかけられ、条件反射でついに隣を見てしまう。


「……っ」


お隣さんの猫くんは、頬杖をついた状態で私を見てきていて。

まだ眠そうな、とろんとした雰囲気はそのままだ。


「じゃあさ」


私が猫くんを見た瞬間、彼の口角はきゅっと上がって。


「どっちが先に惚れるか、賭ける?」

「……へ!?」


そんな彼からかけられた言葉は、唐突という言葉を使うにはあまりにもぴったりで。


私の『なんとも思ってない』という言葉に対して

悲しそうな顔をするわけでもなく

何ともなかったかのように眠る訳でもなく

逆に挑発するかのような……面白がるような、そんな表情の猫くん。


そ、そんな賭け……



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