気まぐれ猫くんの手懐け方

むくりと起き上がる。


私、やっぱ暑苦しいのかな。


スマホを手に取れば、暗い画面に私の顔が映る。


そうだよね。

こんな、女の子っぽくない私なんて。


ああいう女の子顔負けのかわいい人にとっては


うざいだけなのかも。


なんとなくズキズキする胸を、手でそっと押さえた。


周りからはよく『前向き』とか『ポジティブ』とか言われるけど


実際はそんなことはなくて。


本当は、心の中ではこうやって悶々と考え込むし

簡単に傷ついたりする。



それを、表に出さないだけだ。



「あ~…もうやめ!!!寝よう!!!」



布団を乱暴にかぶって、無理矢理目を閉じた。



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