気まぐれ猫くんの手懐け方

猫様

次の日の朝。


「陽愛……!!?」


校門で待っててくれていた梨乃が、目を見開いて私を見る。


「梨乃、おはよう」

「ちょ、あんたどうしたのそれ!!」


梨乃の言う、『それ』とは。

彼女は自分の目の辺りを指差している。


「すっごい、クマ!!!」

「はは、昨日ちょっと眠れなくて」


ええ。

結局一睡もできませんでしたとも。


「また何か考え事してたんでしょ」

「いて」


ばっちりメイクの梨乃は、私の頭を軽く叩く。


「不眠はお肌の大敵だよ!!ちゃんと寝なきゃ!!」

「うん、そうだね」


と言っても、別にお肌がどうのこうのという話には

一切興味のない私だった。


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