気まぐれ猫くんの手懐け方

「人の顔ジロジロ見てないで、さっさと飲み物でも買ってきたらどうなの?」

「……へ?」


飲み物…って。


「ね、猫くんの飲み物を買ってこい…と言うことでしょうか…?」


頬をひくつかせながらそう聞けば


「もちろん」


なんて、とんでもなくまぶしい笑顔で言われた。


「な、なんで私が…」

「へえ、いいんだ?」

「……え…?」


やっと、机からほっぺたを離して猫くんを見つめれば。

猫くんは自らの顎に人差し指をあててあさっての方角を見る。


「そういえばさー、ちゃんひな」

「え」


ちゃんひな…?

それってもしかしなくても私のこと……だよね?

一応名前も入ってるけど、どちらかというとあだ名みたい。



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