気まぐれ猫くんの手懐け方
「ちょ!?なに笑ってるのよ猫くん…っ!?」
「まさか自分から柄を言うとは思わなかった…」
「……っ」
「ほんと、バカ」
「っ」
左手を机について
右腕で口元を隠して
目を細めて笑う猫くん。
悔しい。
こんなふうにからかわれて、むかついているはずなのに。
そんなかわいい笑顔、反則だよ。
「ってことで、買ってきてね、飲み物」
「どうして『ってことで』になるのかわからないんだけど…」
「バカなの?この流れは買ってくるでしょ」
「どの流れよっ!!」
「えっ、言っていいの?」
「だ、だめ……!!!」
闇を含んだ猫くんの瞳を見た瞬間、私は立ち上がった。