気まぐれ猫くんの手懐け方

「…ふあ、」


なんだか、眠くなってきた。

太陽の光ってこんなにあったかいんだなあ…。

時計を見ると、お昼休みが終わるまであと30分。


「…少しくらいなら、いいよね…?」


私も猫くんの隣にそっと腰を下ろし、壁に背中をつけた。


あと数㎝で、二人の肩が触れてしまいそうな距離。


ドキドキしてるはずなのに、この感じが心地よくて。


触れてないはずの猫くんの体から、空気を通して彼の体温が伝わってくるみたい。


それくらい、あったかかった。



「……ふあ~……あ、」




さっきよりも大きなあくびをしてから、


ゆっくりと目を閉じた。



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