気まぐれ猫くんの手懐け方
***


「……あれ…!?」


気づけば、私の体は真っ白くて柔らかい何かに埋もれてしまっていた。


「え、なにこれ…マシュマロ!?」


両手ですくったそれは、紛れもなくマシュマロたちだった。


「え、な、なんでこんなことに…!!?」


た、たしか屋上で寝ちゃってたはずなのに…!!


「陽愛」

「!!?!?」


こ、この声…は…!?!?

必死に声のした方を見れば。


「ね、猫くん…っ!!」


巨大なハンドキャッチャーに乗った猫くんが、私を見下ろしていた。


「た、たすけ…」


そんな猫くんに向かって、私は右手を伸ばした。

どんどん体がマシュマロの中に沈んでいく。



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