気まぐれ猫くんの手懐け方
「えー、陽愛、自分で助かりなよ」
「この期に及んでまだそんな意地悪言うの!?」
ここまで鬼畜な人だと思わなかったよ猫くん!!
そうこうしてるうちにもう肩までマシュマロが。
「た、すけて…っ、猫くん…!!」
恐怖の余り涙をにじませながら、必死に猫くんを呼ぶ。
そんな私を見た猫くんは、はあ…とため息をつく。
そして、口角をつり上げながら私へと手を伸ばしてくれた。
「おいで、陽愛」
「…っ」
そういえば、さっきも“陽愛”って…
ぐいっと、力強く手を引っ張られて。
気づけばそのまま、猫くんの腕の中に。
「まったく…足滑らせてマシュマロリバーに落っこちるとか、バカなの?」
「ご、ごめんなさい…」
ま、マシュマロリバーって言うのか、あのマシュマロたちは…。
「ほんと、バカ」