気まぐれ猫くんの手懐け方
「もう、どっちが先に惚れるとか知らない…っ!!
も、もう…私で遊ばないで…!!!」
悔しい。
悔しい。
目の前で余裕そうに笑っている猫くんが、むかつく。
どうしてそんなに私で遊ぶの?
この間のき、キスだって。
気まぐれでしたくせに。
なんとも、思ってないくせに。
「…う、…っ…」
悔しすぎて、涙が出てきた。
こんな弱いところ、猫くんに見られたくなくて
次々溢れてくる涙を必死に手で拭った。
「……」
そんな私を、猫くんがじっと見つめてきているのにも気づいて、見られたくなくて手で顔を覆った。
「あのさ」
「っ」
猫くんが立ち上がったような音がして。
すぐ目の前で、彼の声が聞こえた。