気まぐれ猫くんの手懐け方

「じゃあ、俺が他の子で同じ事してもいいの?」

「…っ」


なに、その質問…。

猫くんが、私にしてることを、他の女の子に…?


「それは!……っ!?」


顔を覆っていた手を下ろして猫くんを見れば、意外とすぐ近くに猫くんの顔があって。

今自分が何を言おうとしていたのかさえ、一瞬で忘れてしまった。


「俺は、嫌だ」

「え、」

「陽愛が、あいつとデートしてるって聞いてから、なんか知らないけど、イライラして」


少し下に視線を落としていた猫くんの腕が伸びてきて

そっと私を優しく抱きしめた。


「わけ、わかんない。今どうして自分がこうしてるのか。どうしてモヤモヤしてるのか…ね、何でだと思う?」

「し、知らないよそんなの…」

「……」


優しかった猫くんの腕の力が、次第に強まる。




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