気まぐれ猫くんの手懐け方
「……あんたに、惚れてるってことじゃないの?」
「っ!!?」
かあっと、顔がみるみるうちに熱くなる。
な、何言ってるの…!?
そんな言葉すら出てこず、私は猫くんからバッと体を離した。
どうせまた意地悪して、私をからかって面白がってるんでしょ…!!?
「……っ」
でも。
そこにあったのは、今までに見たことがないくらい
真面目な表情をした猫くん。
「ま、まって…っ、恥ずかしい……!!」
私は、前髪をまとめていたゴムを乱暴に取り去り、長い前髪を目の前に垂らす。
そうやって顔を隠そうとしたのに。
「ね、こっち見て?」
「っ」
猫くんが、自分のピンクのピンを外して、せっかく垂らした私の前髪を留めた。