気まぐれ猫くんの手懐け方
「……なのに、なんなの……!!?」
あんだけ人のことドキドキさせておいて……
どうしていつも通りでいられるの!?
おまけに今日の日当たりも最高らしく、気持ちよさそうにふにゃりとあくびまでしている。
……っく、かわいい……!!!
って、そうじゃない!!
私は首をブンブンと左右に振って席についた。
「はあ……」
どうしてこんな、気まぐれで動いている人に、私がいちいち振り回されなきゃいけないの?
初めて見たときは、かわいくて綺麗で、どこか気高くて。
正直、ずっと関わることはないと思っていたのに。
『……あんたに、惚れてるってことじゃないの?』
「……っ!!」
あ、あ、あんなことを言われる日が来るなんて思いもしなかったから……。
思い出して恥ずかしくなって、机に思いっきり自分の額をぶつけた。
「……っあああ~……!!!」
……痛い。