気まぐれ猫くんの手懐け方

「そういえばさ、GROUND1の無料券もらったんだよ!」


と言って手にしていた2枚の券を嬉しそうに私に見せてくる玲央くん。


「えっ!なんて素敵なものを…!!」

「だろ!?今度一緒に…」


その時、隣からガタッと大きな音がして、玲央くんと共に音のした方を振り返る。

同時に太陽の光が反射してきらりと光るピンク色のピンが横切ったと思った瞬間。

いつの間にか私と玲央くんの間に立つ猫くんの姿が目の前にあった。


猫くんは自分よりもはるかに背の高い玲央くんを見上げている。


「おい、犬っころ」

「おー三毛、小っこくて気づかなかったぜ」

「誰に言ってんだよ頭が高いんだよ」

「どこぞの部活の主将だよ」


二人の間で、見えない火花がバチバチと音を立てている。

どうして顔を合わせる度に毎回喧嘩しちゃうんだろう…。



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