気まぐれ猫くんの手懐け方

「三毛」

「なんだよ犬っころ」


「俺は陽愛が好きだ」


「………っ!?」

「あっっそ、だからなに………って、え………?」


玲央くん?

今…なんて……?


私と猫くんは2人で目を合わせて、ぱちくりと何度か瞬きを繰り返す。

猫くんも驚きのあまりか、私の口を塞いでいた手の力が緩んだ。


「…お前の好きとは、違う」


いつになく真面目な様子でそう言い放った玲央くんは、そのまま自分の席へと戻って行ってしまった。


「…………」

「…………」


あまりに突然の事で、私たちは何も言葉が出てこなくて。


でもしばらくして、玲央くんに言われた言葉の意味を考えるうちに心臓がドキドキして。


玲央くん。

玲央くん。


さっきの言葉って…………?


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