気まぐれ猫くんの手懐け方
「ふごっ!?」
どこから取り出したのか、いつの間にか手に持っていたハンドキャッチャーで鼻をつままれた。
…痛い。
「ね、ねこく……」
「アイツのこと考えてた?」
「それは、猫くんが…」
アイツのこと好き?なんて聞いてくるから。
そんなこと聞かれたら、誰だって考えちゃうでしょ?
「なに?俺のせいって言いたいわけ?」
「……」
言葉は挑発的だけど、表情や声のトーンはいつにも増して優しいのはどうして?
ねえ、これも、いつもの気まぐれなの?
「俺が目の前にいるのに、俺以外の奴のこと考えてたの?ちゃんひな」
「っ」
ふっと、猫くんの口角が上がる。
「なんて顔してんの?ブス」