気まぐれ猫くんの手懐け方

「……っ、猫くんのバカ!!」

「い…った」


私が立ち上がったことで、猫くんの頭が固い床にゴツンと音を立てて落ちる。


「思わせぶりなことしてるのはどっちよ!!!」

「……っ!?」


急に大きな声を出したためか、猫くんの目が大きく見開かれる。


「わ、私のこと好きでもなんでもないくせに…っ!!!」



優しく笑ったり


急に名前で呼んできたり


意地悪してきたり


キスしてきたり


―――…惚れてるって、言ってきたり。



「私の反応見て楽しんでるだけのくせに…」


ちがう。


本当は、こんなこと言いたいんじゃないのに…。




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