気まぐれ猫くんの手懐け方
俺と付き合おう
「で?なにがあったの?」
人気の少ない校舎裏に来た私と梨乃。
「うっ、ううっ…」
「もう、いい加減泣き止みなさいよ陽愛」
「ごべんなはい…」
鼻水のせいでうまく発音ができない。
「もう、今度はなにでいっぱいいっぱいになったわけ?」
隣に腰を下ろし、優しくほほえみかけてくれる梨乃。
私は視線を下に落としながら、事の発端を口に出した。
「あ、あのね」
「うん」
「あの、その…」
「うん」
「れ、玲央くんにね、今日ね、す、好きって…言われたの」
その言葉を聞いた梨乃は、はじめは驚いたように目を見開いていたけど
すぐにまた優しい表情に戻る。