気まぐれ猫くんの手懐け方
……好きだって、言ってるじゃん。
何で信じないの?
アイツの言葉は本気にして、赤くなって。
なんで俺の言葉は信じないわけ?
別に俺、陽愛で遊んでるわけじゃない。
なのに何だよあの犬っころ…
人のにズケズケ手ェ出してきてさ。
「………っ」
むしゃくしゃして、前髪を留めていたピンを外し、グシャグシャと頭を掻いた。
何で伝わらないの?
ここまでバカだと思わなかった。
「………」
陽愛へと視線を戻す。
けれど、この視線が交わることはなくて。
……それとも、俺のやり方が、間違ってた…?