気まぐれ猫くんの手懐け方

「俺と付き合おう、陽愛」


「!?」



教室に入ろうとしたとき、聞こえてきた。



「彼女いたことねーから付き合うとかよくわかんねーけど…きっと楽しくやれるぜ、俺らなら!!」


「……玲央くん…」


「……っ」



待てよ、陽愛。


だめだって。


嫌だ。


……嫌だ。


そいつのところになんか行かないでよ。


どうしたって、行ってほしくないんだよ。


「っ」



―――カッコなんか、つけてる場合じゃない。



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